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   世界には、様々なニュース、素敵な習慣や珍しい行事があり、いろいろな発想を持った人が活躍しています。毎回このページでは、人・モノ・景色などジャンルは問わず、それらを紹介しながら、皆様のギフト選びに役立てていただけるよう努めてまいります。


    Vol.5 ヘレンド社  HEREND Co.(Hungary) 


  •  ハンガリーの首都ブダペストから南西へ110km―――。中世の面影が残る周辺の都市とは全く違い、人の気配が感じられないほど、静かな村がそこにあった。
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  •  「ヘレンド磁器」 19世紀、当時のハンガリーはオーストリア帝国の統治下にあった。オーストリアの女帝マリア・テレジアが育成したウイーン窯が閉鎖されたことがきっかけで、ヘレンドはそのデザインを継承することになった。当時、隆盛を極めたオーストリア宮廷を彩るテーブルウェアとして、一躍欧州各国に名を轟かす名窯へと発展していった。
  •  現在、世界的磁器ブランドとしてその名を知られたその会社は、そのまま村の名前だ。敷地内には工場や博物館、レストランなどがあり、ヘレンド製品を身近に感じることが出来る。博物館はさほど広くはないが、ゆっくり見てまわるには1時間は必要だ。明るいシャンデリアに照らされた磁器の美しさは、息を呑むほどである。ヘレンド社製品は、もともと中国から影響を受けたものが多く、独特の色彩と繊細さが目を引く。
  •  ここで働くスタッフは1500人ほどだが、徹底して手作りにこだわり、伝統工芸職人として鍛えられていた精鋭たちである。今は国営企業だが、15年ほど前からヘレンド社の株主は、働く職人になっているという。こうした点も、一定の高い水準を保っている要因だろう。
  •  目立った商店や施設もない村だが、歩いていくと建物の壁面には磁器に絵付けをする職人の絵が目に付き、この村の心を垣間見ることが出来る。プラタナスの並木や若草色の原野が広がり、忙しい日常を忘れさせてくれる空間がこの村にはあった。
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